AMDの新APUとなるデスクトップ向けTrinity解禁 #AMD勉強会

amd_trinity_study_01.jpg

2012年10月2日、19:01に発売が解禁されたAMD期待の新商品となるAPU Trinityについて、先日AMDの「APU新製品」に関するブロガー勉強会参加してはや20日。

ようやく「情報解禁OK」となりましたので、これまでNDA(機密保持契約)によって縛られていた勉強会内容について資料を交えながら個人的な主観を入れつつ、魅力が伝わればいいかなと。※NDAで縛られたのは情報の公開日なので、画像はCONFIDENTIALとなってますが公開OKのものです。念のため。

この情報解禁まで・・・色々と長かったです。具体的には

  • 海外ではリーク情報流れまくり
  • 国内販売開始が、情報解禁よりも(数時間とはいえ)早い
  • 勉強会お土産となった新APU(A10-5800Kと、GIGABYTE F2A85X-UP4)がなかなか届かない
  • グラフィック性能ベンチマークが発売に先立って情報解禁
  • 販売開始当日(10/2)にCPU部の性能についてもベンチマークが各所で公開

などなどありましたが、時が来ればそんなことも忘れます。

実際、到着したお土産を元に「AMDの新APUでPC組むためにお買い物」して、PC組んでたら上記のもやもやは吹き飛んじゃいました。やっぱり自作は楽しいです。

そんなわけで、新しい技術が導入されたAMDのTrinityですが、ぱっと見・・というか、いわゆるCPUスペックな部分だけでは見えてこない魅力が結構たくさんあることを知ることができた勉強会の新型APU Trinityに関する部分の参加報告です。

amd_trinity_study_02.jpg

まずはTrinity概要。

製造プロセスは32nm。Intelのivy Bridgeが22nmということで、後塵を拝しているわけですが、そこを多数の技術でカバーして対抗していきます。

この時点でいわゆるCPU性能についてはそれほど期待ができないわけですが・・・今回のTrinityの性能面での目玉はGPU性能に尽きます。

そのTrinityこと新Aシリーズは(殴り書きしてますが)上位4コア、下位2コアのラインナップ。RADEON HD7000シリーズの名を冠した(実際は機能的にHD6000シリーズに近い面がありますが、HD7000シリーズと謳ってます)GPUを内包。

amd_trinity_study_03.jpg

新たに搭載されているのが

  • マルチメディアハードウェアエンコード・デコード機能
  • ノースブリッジの統合
  • "Piledriver"の採用
    → Bulldozerで課題となったIPCの向上、リーク電流削減、動作クロックの向上が図られてます。
  • HDMIやDisplayPortコントローラを内包
    → DisplayPortはVer.1.2対応。HDMIは前モデル同様にVer.1.4aまでしっかり対応。

Llanoからの着実な進化が伺えます。

amd_trinity_study_04.jpg

Llanoも結構がんばる良い子(というか、うちでは現在メインクライアントPC)なんですが、Trinityはその前モデルLlanoと比較してワットパフォーマンスが2倍!と謳っています。

上記資料の黄色文字な部分が今回のTrinityで機能向上した部分。

CPU面では周波数向上による性能UP。25%程度の上乗せが期待されます。

1秒間に10億回の浮動小数点数演算(実数計算)を実行できることを意味する「GFLOPS」は736以上で、特に性能向上しているのがGPU部分。3DMARK11でP1361以上とCPU内蔵グラフィックスとしては十分過ぎるほど。

構成やベンチによって上下しますが、1,500ちょっと出てたりもするようです。

数値から考えると、Radeon HD 6750M ~ Radeon HD 6770M 程度の性能とみて問題なさそうです。搭載しているのがHD7660Dなので、当然ではありますが。

 

amd_trinity_study_05.jpg

そして個人的に嬉しいのがここ!

今回、新たにSocketFM1からSocketFM2へとプラットフォームが移行します。

SocketFM1は残念ながら短命なプラットフォームとなってしまいましたが、今後展開していくSocketFM2は「息の長いプラットロームとなると期待して貰ってかまわない」ということで、Trinityの後継と目される開発コード名"Kaveri"や、その後のAPUについてもSocketFM2を採用する可能性が高く、Socket AM3やAM3+並に長いことアップグレードしながら楽しめそうな感じです。

ここは頻繁にプラットフォームを変更して消費を促す?Intelとの大きな違いですね。

AMDプラットフォームは懐に優しい!

勉強会の場では話として出てきません(質問したかったけど時間足らずだったり)でしたが、低TDP版モデル(17~35W?)も準備はされてるようですし、サーバ向けAPUも想定されているハズなので今後の展開には大いに期待。

amd_trinity_study_06.jpg

今回展開されるTrinityのラインナップがこちら。

この価格なんかが、思いっきりNDA情報だったわけですね。概ね事前のリーク通りではありましたが。

AMDが新型APU「Trinity」をアピール、CPU/GPUとも性能強化 FM2は次世代CPUでも利用 / 価格は1万8千円以下?と、ユーザによっては新たなプラットフォームで新商品ということもあって、フラッグシップモデルの価格をお高めに予想(といってもIntel CPUよりだいぶお求めやすい)している方もいたようです。

価格に関しては「発売まで公開できない」としたものの、「1万8千円」という来場者予想に対し、笑顔で「大きく裏切ることができるんじゃないかと思っています」と示唆。価格に関してはこれを下回ることになるようだ。

そりゃ、笑顔も出るってもんです。

フラッグシップが、販売開始から13,000円割れで、実売12,000円程度とくれば「安っ!」というインパクトは十分与えられます。

TDP65Wモデルが10,000円割れ(AMD A8-5500)なのも魅力的。個人的なおすすめはTDP65Wで、GPU性能もフラッグシップに次ぐ性能なAMD A10-5700だったりします。

実際に勉強会の会場では、事前リークと思しき海外情報を把握している方が多かったのか、感嘆の声は上がらなかったものの一様に販売開始時に設定される価格としては安いと感じていた模様。

Intel製品だと、12,000円~13,000円だとCore i3 3240 BOXあたりなので、エントリークラスに属しちゃってもおかしくない部類。SandyながらCore i5 2400あたりに手が届きそうではありますが。

単純なCPU処理能力ではIntel製品に及ばないため、価格の安さとプラットフォームとしては長寿命性、それと高性能GPUによるトータルパフォーマンスで攻めの1手をTrinityで打つわけです。

 

CPU性能そのものに対する期待はそこそこに、今現在・・・というか、Trinityに求められているのはその内包するRADEON HD7660Dのパフォーマンスなんですが、スペックだけ並べると(A10-5800K)

  • コア数384
  • コアクロック800MHz

という感じで、地道に進化したんじゃない?という程度の印象。

ただし、力を入れているのはスペックだけじゃない!というのがAMD側のプッシュポイント。

amd_trinity_study_07.jpg

ユーザが求めてるのは絶対的なベンチマーク性能ではなく、ユーザ体感速度の向上!ということで、補正機能を中心にビデオ映像を最適化することに注力してくれてたりします。

amd_trinity_study_08.jpg

AMD Steady VideoというAMD独自の動画補正機能を搭載していて、IE/Firefox/ChromeといったメジャーなブラウザでYouTubeなどの動画再生時に自動で手ぶれしている映像を補正してくれちゃったりと結構至れり尽くせりな機能を提供。

気づかないところでお仕事しちゃう、縁の下の力持ち的な活躍をアピールしてますが、これって一般ユーザはたぶん気がつけません。

amd_trinity_study_09.jpg

ほかにもストリーミング映像に対して、AMD Quick Streamことサクサクビデオ機能も提供。

ファイル転送をかけながらバックグラウンドで動画のストリーム再生を行うようなケースで、動画のストリームダウンロードを優先して処理する機能を実装してます。

これはTrinityからの新機能であり、現メインクライアントPCで使ってるLlanoでは使えなくて個人的に涙目・・。

amd_trinity_study_10.jpg

そしてAMDの「APUって何?」を学ぶブロガー勉強会(参考:【詳細版】AMDの「APUって何?」を学ぶブロガー勉強会の参加報告。)に参加したときにプッシュしていたOpenCLの優位性も引き続きプッシュ。

amd_trinity_study_11.jpg

対応企業がだいぶ増えてきていて、今後ももっと増えてきますよーと。わかりにくいですが、中段一番右にあるMAINCONCEPTはH.264を開発した企業なので、エンコード・デコード面での優位化が進んでいくのかもしれません。

実際、GPUを使った処理についてはIntel競合モデルと比較して非常に良い数値をたたき出してました。

amd_trinity_study_12.jpg

ほかにもOpenCLで開発されるなどして、AMDのAPUに最適化されたりしているソフトウェアがこれだけあるんですよ~ということをアピールするサイト「AppZone」もオープンしています。

http://www.amd.com/jp/vision/shop/cool-apps/Pages/cool-apps.aspx

日本語サイトもまもなくオープンということで、そちらにも期待。

 

そして、やはり気になる同価格帯の製品との比較。

amd_trinity_study_13.jpg

OpenCL開発されたWinZipを用いたベンチマークでの比較。

低い方が良い数値(Lower is Better)となります。

軒並みIntel製品より良いですよーという定番アピール。内蔵GPUを用いて処理することができるので、これだけ顕著に高パフォーマンスが出せるという結果になってます。

 

amd_trinity_study_14.jpg

特定アプリだけじゃアレですねーということで、AMDのAPUはユーザが必要とする機能に最適化することを目的として開発展開してますよーということで、色々と利用シーン別の使用率などを調査してたりするそうです。

各種ブラウザ、写真、映像、音楽、Office、オンラインゲームといったあたりにフォーカスしていくと。

amd_trinity_study_15.jpg

で、まとめとしては・・・

 

  • 同価格帯製品であるIntelの某****比で約2倍のパフォーマンス
    (一応、具体名は隠して~ということでしたのでご勘弁を)を発揮。
  • Socket FM2はTrinityのみならず、長いこと使えます
  • Intelでは特に実装してない各種補正機能や補助機能を搭載していてユーザビリティ向上に寄与します
  • OpenCL開発などで、GPU処理ができるものは特にパフォーマンスが高い
    総じてコストパフォーマンスが抜群
  • 今後、AMD APPアクセラレーションソフトはガッツリ増えます!
  • Windows8やHTML5などでGPU性能が求められるシーンは増えてくけどしっかり対応
    内蔵グラフィックスだけで必要十分な性能をIntelに先駆けて提供し続けていく

という感じで、Trinity情報がNDA上の都合で出せず、勉強会から多少時間が空きまして、出し惜しみチックになっちゃいましたが、とにもかくにもコストパフォーマンス抜群かつユーザビリティ向上を見事に果たしたTrinityはLilano同様に低価格帯プラットフォームにおいて確かな実力を感じさせてくれました。

能書きはわかった。実際のところはどうなんだ?という点については、お土産でいただいたAPUとマザーボードがあるので、組んで使って改めてレポします。

現状、ちらほらさわった感じではLlanoから着実に進化していて、性能面では十分過ぎな感すらありました。前回LlanoPCを組んだときにも書いていますが、ほんと、CPUに20,000円とか30,000円だす必要性がかなり薄れちゃってますね。もちろん用途によりけりですが。

APUは従来のプラットフォームより、体感性能が向上されていて、後々のアップグレードにも対応が可能でありつつ、安い価格で購入できるのがウリなので、あとはMini-ITXマザーをいっぱい出したり、より省電力なAPUをガンガン出して貰えれば、爆発的には売れなくても、じわじわロングテール売れするんじゃないでしょうか。

絶対性能を求めないユーザの心はしっかりつかめる製品に仕上がってると思います。宣伝・評判次第になりそうですが。

ただ、やはりCPU自体の処理能力が不足している面はどうしても否めませんので、AMDにはハイエンドモデルも期待したいんですが、そのあたりについては今後(といっても1,2年後?)に期待・・・なのかなという印象。その辺は長い目で展開を期待してます。

コメントする