AMDの独自API「Mantle」の効果を「Sniper Elite 3」で実体験

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AMDの独自APIである「Mantle」について、ご存じでしょうか。

PCでゲームをプレイする方なら聞いたこともあるんじゃないかな?というぐらいの感覚であり、日ごとPCを利用している方にとって、それほど身近に感じられる技術ではないので「Mantleってなぁに?」と思われる方も少なくないのではないかと。

かくいう自分も、PCでゲームは殆どプレイせず。

コンシューマ向けの据え置きゲーム機よりもPCの方がスペック選択が可能で、好みの構成でPCを組み上げて、プレイするゲームに合わせた最適な環境を構築できるのでゲームやるならPCでガッツリのめり込みたい!という側の人間であり、割とスペック厨な面もあるのですが、ことゲームに関してはここ数年プレイする時間の確保が難しいことから手つかずなところもあり、不勉強な状態だったんですが、AMD主催の勉強会に参加させて貰う中で何度かゲーミングテクノロジーについて学ぶ機会があり、Mantle APIについても「You, 体感しちゃいなYO!」的なお誘いがあったので、全然ゲームをプレイしていないながらも、そのMantle APIの威力を身を持って体験してみることにしました。

そんなわけで、AMDの独自API「Mantle」の効果をThird Person shooterこと、略称TPSゲームな「Sniper Elite 3」で実体験してみたのでご紹介。

ちなみに、PS版は日本語版となるスナイパーエリート3の国内販売が中止という憂き目に遭っていたりします。PSプラットフォームではSniper Elite III(北米版)ということですね。PC版は元々英語版しか出てなかったりしますので、Sniper Elite III (PC DVD) (輸入版)あたりをどうぞというところです。

AMDのMantle Technology簡単おさらい

Mantleによる効果測定というか、効果体感をしたわけですが、そもそも「Mantle APIってなぁに?」ということの方が多いかなという感じなので、「AMD勉強会で「Catalyst OMEGA」と、「Fluid Motion Video」を学ぶ」で、以下のようにざっくりMantleについてまとめてたのでここで引用しておきます。

100を超えるデベロッパがMantle ベータプログラム時代から参画してくれ、今では各種ゲームに内蔵する個別エンジンでMantle対応となってきているなど最適化が図られてきているようです。すでに20を超えるゲームがLaunchedされ、Sid Meier's Civilization: Beyond Earthが成功例だそう。

グラフィックボードでレンダリングが容易になり、ボードの性能を最大限に生かすことができるようになったそうで、結果として使用している環境はわかりませんでしたが、Mantleを使用することでBattleField 4であれば、39FPS → 55fpsに、Thiefであれば36 → 60fpsへと改善することができているそうです。

もちろん、ゲーミングに注力するにあたり、日本国内市場にも積極展開すべくローカライズも進めていて、日本に関しては Dragon Quest Xで、APU×DQXという形でアピールしてたり(ただし、Mantle対応はしていない ※はず)。今だと、2015年1月まで、APU搭載推奨モデルを買って「ドラゴンクエストX」をもらっちゃおう!キャンペーンが実施されてたりもします。

Mantle対応という意味では、CAPCONが、シンガポールにてMantleのレビューを行うことを発表しているほか、国内でも「カプコンの新世代ゲームエンジン「Panta Rhei」はMantleに対応。AMDのイベントで開発者がその理由と利点を解説」という形で、発表されていたり。

PC、PS4、XBOX ONEで、すでにチェックしていて一定の評価は得ているそうで、遠くない未来にそれらプラットフォームで何らかの発表等が得られるのではないか~というこ とでした。もちろん、現状に満足しているわけではないので、さらなるアライアンスなどを獲得できればと考えているそうで、期待したいところです。

もう少し簡単にAMDのMantle APIについてまとめると

  • AMDが開発したアプリケーションプログラミングインタフェース
  • グラフィックスボードの性能を最大限に活かすことが出来る
  • ゲーム開発会社が対応し始めてきている
  • 実際に性能アップ効果が顕著
  • PCだけじゃ無く、今後は違うプラットフォームでの展開もあるかもね

というところ。

現在進行形で普及を進めている技術という認識でOKではないかと。

その効果のほどは動画でも説明されてたりするので、英語が堪能な方はそちらも参考まで。

Mantle Technologyを体感するお供としてRADEON R9 270

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今回、Mantleの効果を「Sniper Elite 3」で実体験するにあたり、用いるグラフィックスボードが MSI RADEON R9 270です。

今だと、マイナーチェンジ版となるMSI R9 270X Twin Frozr 4S OC グラフィックスボード VD5170の方が入手性もよく、お値段も安いケースが多いのでそちらをオススメ。構成はさほど変わりません。

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大きめファンがデュアルでガッツリ冷えてくれそうなTwinFrozrを採用。

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普段はAMDのAPUに内蔵するグラフィックス性能で十分こなせていることもあり、ディスクリートGPUは搭載していないということもあり、グラフィックスボードと無縁な環境なので、持った感じは結構ずっしり。

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各種出力インターフェース(DVI×2、HDMI、DisplayPort)もしっかり搭載しています。

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ヒートパイプが複数本出ているデザインが何かわかりませんがお飲みだったりします。「熱をしっかり伝えてくれるんだろうなぁ」的な造形が好きです。

普段だとPCへの組み込みその他を紹介しますが今回は目的が違うので割愛。

「Sniper Elite 3」をプレイ

動画キャプチャ環境とかがしっかりあれば、プレイした感じを掲載すれば一目瞭然なのでしょうが、そんな環境は無いし下手くそプレイっぷりを晒すのも恥ずかしいので、Sniper Elite 3については有志のプレイ動画をどうぞ。

PS4版のプレイ動画(※グロい描写が結構あるので注意)です。

PS4版なので、Mantleの有無が関係ないんですが元々結構綺麗な映像で魅せてくれるゲームです。安定して30fps以上出ている感じですね。

 

A10-7800&RADEON R9 270 に、Mantle ONでプレイ

プレイ環境としては、ざっくり AMD A-series AMD A10 7850K Black Edition AD785KXBJABOX、メモリ16GB、RADEON R9 270という環境であり、さして特殊な設定を施している訳ではないです。液晶だけ、ゲーミング液晶ディスプレイである、144Hz駆動パネルを採用したBenQ Gamingモニター XL2411Zを用いてるというぐらいでしょうか。

もちろん、ゲームプレイ動画のようにサクサクとはいかず、ダラダラとしたプレイになりましたが、ゲーム自体は英語がわからなくても何とかなるようになっているので英語が苦手な人間としては助かりました。

で、実際にプレイしてみた感じとしては、RADEON R9 270を使ってプレイする限りにおいては1,920×1,080のフルHD解像度High Preset設定でもプレイ自体は全くもって問題なし。処理の重そうなシーンに出くわしてもスムーズな描画が継続していて違和感なくプレイすることが出来ました。

きちんと測定したわけでは無いので、正確なことはいえませんが、いわゆる「30fps」以上をほぼほぼキープすることが出来ている状態であり、処理落ちの無いプレイ環境の素敵さをまず味わえたなと。

A10-7800&RADEON R9 270 の、Mantle OFFでプレイ

次にMantle APIを無効化した状態でプレイしてみました。

設定は同じく、1,920×1,080のフルHD解像度High Preset設定なのですが、通常プレイについては問題なく行えるものの、ちょっと描写が激しく処理が思いシーンにおいてfpsが維持できず、fpsが落ち込むシーンが見られました。

Mantle以前に、RADEON R9 270を用いれば少なくとも快適な環境でプレイすることが出来るんですが、やはり常時安定した高fpsをキープできるのと出来ないのとでは大きな違いがあり、「あぁ、処理落ちしてるわ・・」という残念感が伴うのも事実。

先に快適な環境でプレイしたことで、違和感が顕著になったのかもしれません。ただ、アンチエイリアスなどの設定を一部外せば快適なので細かな描写にこだわらなければ問題ないといえるかもしれません。

A10-7850K に、Mantle ONでプレイ

続いて、RADEON R9 270の力を借りずにAMD APU単体での力および、Mantleの効果を測定してみよう!ということで、あえてディスクリートGPU無しでプレイ。

1,920×1,080のフルHD解像度のMedium Presetで、プレイしてみました。

結果的には、設定をちょいちょい弄りましたが、なんと30fps程度出て、普通にプレイする分にはプレイできちゃう!という驚きの結果に。

画質面での設定を落としているということ、また、前もってRADEON R9 270環境でプレイしていることもあり、流石にすこぶる快適!とまではいきませんが、流石にフルHDは厳しいでしょう・・・とか思っていたのに、割と頑張ることが出来てしまったことにAMD APUの底力を見せつけられた次第。

特段OCなどしていないでこの結果なので、ちょっとOCしたらさらに快適プレイが可能になるかもしれません。

A10-7850K に、Mantle OFFでプレイ

となると、やはりMantle OFFでプレイしたときにどうなるのか試さないと~ということで、やってみたんですが結果は厳しいことに。

常時30fps割れで、プレイ自体は可能ですが1,920×1,080とフルHDではなく、解像度を落としてあげないとゲームにならない感じになりました。

低スペック環境であるが故に、その効果が顕著に出たのかもしれません。非常に快適→快適だと、あまり違和感を感じませんが、普通→厳しいと変わると印象が全然違うなと。

MantleのON/OFFで、これほど顕著に違うのかというのに驚きました。

性能面で「あと一歩足りないかもしれない・・・」という状況にあっても、「Mantle対応ソフトなら何とかなる!」と思わせる体感速度の向上がそこにはありました。

Intel Core i5-4690K に、Mantle OFF(というか非対応)でプレイ

オマケとして、液晶ディスプレイを借りた知人宅に液晶を返却しに行くついでにCPU内蔵グラフィックスのみでプレイして貰いました。

本当は Intel Corei7-4790K環境で試して貰う予定だったんですが、グラフィックスボードが刺さっていたので断念し、グラフィックスボードが刺さっていないIntel Corei5-4690KなPCで動作させて貰ったんですが、ものの見事にfpsが維持出来ず。

20fpsも出てない感じで、「そりゃそうだよね」という結論に。AMDのAPUの方が素のグラフィックス性能が上ですし、加えてMantleの効果が得られなければ快適なプレイ環境など得られるわけも無く。

AMDのMantle Technologyを使ったSniper Elite 3プレイ体感まとめ

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時間が限られていたので詳細まで詰められなかったこと、また普段ほとんどプレイすることの無いゲームプレイの体感レベルでのレビューとなったことなどから、中途半端な感じは否めませんが、そんな中にあって色々試した結果としては「確かにMantle API Technologyの効果は目に見えてある」ということがわかった結果になりました。

今後、この手の3Dゲームをプレイすることがあるのかどうかはわかりません。

ただ、今回はゲーム描画についてグラフィックスボードの最適化を図るためにAMDが開発したAPIでしたが、GPUを用いたソリューションの提供は今後もどんどん表に出てくるでしょうし、CPUよりもGPUに求められることが増えていくであろう状況を鑑みると、グラフィックスボードの性能をきちんと活かすことが出来るプラットフォームの着手に手を出したAMDの挑戦性が垣間見えた結果となりました。

今回のMantle Technologyもそうですが、Catalyst OMEGAも出てますし、「AMD Fluid Motion」は動画が"ぬるぬる"動いて素敵で書いたように、AMD Fluid Motion VIDEOによってアニメ動画の快適再生環境の実現も実施できていたりと、その実用の幅は広がりつつあるので、今後もAMDのグラフィックス周りについては、新たな付加価値を提供してくれることを期待しています。

 

あと惜しむらくは、その実用性の高さが一般に広く周知されていないというところでしょうか。

今回のようなMantle対応のソフトウェアをプレイするのであれば、同じ価格帯の商品を選択する際により快適な環境を用意することが出来る可能性が高くなるのでGeForceよりもRADEON GPUがオススメになるんですが、3Dゲームをプレイする周りの知人に聞いても「よく知らない」で終わってしまっているのが悲しいところ。

国内でメジャーなゲームがMantle対応すると状況が一変するように感じるんですけど、なかなか難しいんでしょうね。市場規模的に。

たとえば、AMDがAPU搭載推奨モデルを買って「ドラゴンクエストX」をもらっちゃおう!キャンペーンでコラボしているドラゴンクエストXがMantle対応!とかだとインパクトあるんですが、PCでのコアなゲーム市場はそれほど大きくなく、かつ国内開発ベンダが少ないというのもある意味で裏目に出ているところなのかもしれません。それ故に、積極的な広報活動が出来ないというのも理解できるところです。

 

あとはユーザ側から見たときに、ベンチマークなどからは見えない何かを追求する時代になっていて、「パフォーマンスが10%~20%上がるんだよ!」というと、「ふーん」という回答なケースが多いのです。そのあたりを踏まえると、数字じゃ無い何かが必要なのかなと。

やはりそこは「体感する」ことが必要なわけで、前回の上述したAMD Fluid Motionによるアニメ映像のぬるぬるっぷり(褒め言葉)もそうでしたが、今回Mantleの効果を身を持って体験したことで数値などデータなどからはわからない利点がわかったように思います。

なので、AMD側もわかっているのだとは思いますけど、もっとその「良さ」を広く、人の目に付く場所で、かつ大々的にアピールしていけば(PRにお金は結構かかるでしょうけれど)きっとこの良さを理解してくれるユーザがRADEONを選択してくれるのでは無いでしょうか。

少なくとも、草の根活動じゃないですが、自分にはその良さが伝わりましたので。

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