わたしは、なぜタダで70日間世界一周できたのか?
伊藤春香(はあちゅう) / ポプラ社 (2009-08-22)
夢は実現してこその夢。
まさにそんな言葉がふさわしい、女子大学生の卒業旅行と一言では決して片付けられない波瀾万丈・・・・を自ら巻き起こした世界一周プレッシャー旅行記。
「タダで世界一周旅行をしてきた」と聞けば「羨ましい」「いってみたい」という声も聞こえてきそうだが、はっきり言ってこんな世界一周旅行は苦行に近い。
不況下に25社以上の協賛を受けての旅行と聞こえは良いが、その実「タダより高いものはない」という状況そのもの。
旅行を抜きにしても十分スケジュールが詰まっているにもかかわらず、「学生時代にしか出来ないことだから」という強い気持ちだけで行動に移すその力は羨望の一言。
出発するまでのスケジュールのつまり具合が半端無いのに、そこへこれでもか!と降ってくる難題に身体一つで突撃していく様は、運も味方したとはいえ読んでいるこっちがハラハラする始末。
旅行自体、気楽な卒業旅行ではなく、人生観そのものを変えてしまうほど大旅行。そんなパワフル旅行記を読んで感じたのは"学生"という名の身軽さと自由さ。
自分が学生だった頃に、こんな考えをもてただろうか?
社会人になってからでは実現出来ないことを学生時代に成し遂げる!
そういう意識を持っている学生がどれだけいるのかわからないが、少なくとも自分はそういう気持ちで日々生活をしていなかったなぁと悔やみながら、読んでみたり。
きっと今後、何度も何度も学生時代を振り返っては悔やむだろう。もちろん、今は違ったビジョンで生活しているので、当時とは全く異なる環境で目指すものを持って日々を生きているのでいいのだけれども。
やはり実感するのは社会人になってわかる制約の多さと自由な時間の無さ。時間は作り出すものなので、頑張れば時間は作れるが、それに対する制約に縛られてなかなか長い時間を確保するだけのリスクを負えない自分の現状と比較しながら楽しく読めました。
願わくば、ムスコにもこういったビジョンを持って行動が出来るようになって欲しいと考えながら。
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