会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)
齊藤 正明 / 毎日コミュニケーションズ (2009-02-21)
旨い・早い・安いの三拍子揃った美味しい一冊。
・・・と、いってももちろんマグロが美味しいとかそういう意味ではない。凝縮された含蓄・名言と、読めば読むほど腑に落ちる文章構成、そして新書ゆえの買いやすい価格と三拍子揃った一冊である。タイトルのネーミングも非常に上手い。
Amazonより本書の紹介を引用するが、一般的にはマグロ船というと次のような印象を持っていると思われる。
一度、出港したら長期間陸地には戻れず、逃げ出すこともできないマグロ船。病院もなく、遊興施設もなく、コンビニもない、陸上とは180度異なる船上の世界。そんなところで突然働くことになった会社員の私。きっかけは、ある日、上司から言い渡されたひと言だった。「お前はマグロ船に乗ってこい!」その命令を断ることができず、泣く泣く乗るハメになった私が、船上で目にし、耳にしたものとは一体…。
別に「マグロ船がしんどい」とか「安心・安全な生活」を否定するものではなく、普段生活している範疇から逸脱した、異世界とも言える環境に身を置くことで、ただ毎日を過ごしている中では考えもしなかった観点、問題の対処方法、生き死にと直面しているといっても良い場における思考法などについて一会社員の視点から書かれている。
本書を読むことで「マグロ漁船」というイメージはかなり変わる。含蓄豊富な"親方"の存在。コミュニケーションの重要さ、ビジネス視点で考えた際に仕事を円滑に回すための手法や対応方法、部下の管理能力などなど。
「マグロ漁船」においてそういった知恵が活かされているのは(船によるのだろうけども)確かではあるが、素直に一社会人としてそういったマグロ漁船に乗るような、ある意味で追い込まれた環境でしか得られない"知恵"をフィードバックしてくれた著者に感謝。これぞ本のなせる技。
ちなみに、著者はマグロ船に乗船はしたけれども、あくまで研究者として乗っているので過酷な漁はしていない。過酷な体験はしているけれども・・・。"過酷な肉体労働を通じて得た知恵"ではないのであしからず。
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